亜麻色の髪の少女

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ラストオブアス2感想・レビュー

さて、一番最初のゲーム記事はラストオブアス2についてです。

The Last of Us Part II

発売日:2020年6月19日

プラットフォーム:PS4

開発:Naughty Dog

発売:SONY Interactive Entertainment

CERO:Z

ジャンル:アクションアドベンチャーサバイバルホラー

www.amazon.co.jp

 

パッケージ版を購入

前作「The Last of Us」(PS3)の発売から7年、満を持して発売されたNaughty Dogによる続編。僕はAmazonでパッケージ版を購入しました。超期待の作品だったのでダウンロード版で発売日の0時から遊ぶことも考えたのですが、パッケージ版のほうが1500円も安かったためそちらにしました。すでにこの記事を書きながらNaughty Dogという開発会社について、ゲームの開発と発売の違いについて、パッケージ版とダウンロード版について等書きたくなってきましたが、それはまたの機会にします。

まず最初に驚いたのは、パッケージにディスクが二枚入っていたことPS4だと過去に「Red Dead Redemption 2」が同じくディスク2枚で発売されたということを見聞きはしていましたが、いざ目の当たりにすると「いやいや何年前のゲームだよwww」という感想を抱きましたね。「FINAL FANTASY IX」(PS)とか「METAL GEAR SOLID」(PS)とか(これらも知識として知ってるだけ)。まあでもPS4はゲームを本体にフルインストールするので、最初のインストールさえ終わればゲーム中にディスクを入れ替えるという動作は必要ないですし、むしろBD一枚に収まりきらないほど作り込まれているのかと個人的にはワクワクしました。

 

期待通りの超美麗なグラフィック・安定して面白いアクション

ラストオブアスは重厚なストーリーが大きく評価されているゲームのため、感想やレビューをするにあたってストーリーに触れないわけにはいきません。が、どうしてもネタバレになってしまうためストーリーについては後述します。というわけでまずはネタバレなしでできる範囲の感想を。

まず、グラフィックに圧巻されたというのが一番最初に抱いた感想です。「The Last of Us Remaster」(PS4)も十分グラフィックは綺麗でしたし、同じNaughty DogPS4タイトルである「アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝」でもロケーションの作り込みに感動した覚えがありますが、それらとは比にならないくらいに本作のグラフィックは綺麗でした。オブジェクトの使い回しもなく(厳密には気にならなく)、開発の妥協のなさが感じ取れます。またただ綺麗なだけでなく、荒廃した世界の雰囲気、風化した建物の質感の表現力はさすがNaughty Dogと思わされました。

アクションについても非常に快適で面白い仕上がりになっていたのではないかなと思います。もともと前作のアクションは人気が高く、オンライン対戦も高評価でした。そのアクションを基本的には踏襲しつつ、ジャンプや匍匐といった新しい要素の追加があったり、前作で僕が少し気になっていたどこかもっさりとした挙動がサクサクしたものに改善されていたりと、プレイしていて楽しいアクションに仕上がっていると感じました。今の所今作にはオンライン対戦が実装されていませんが、今後アップデートやDLCで追加されて欲しいところです。

 

肝心のストーリーについて

さて、ここからはストーリーについてです。正直上述のグラフィックやアクションなんてどうでもいいんです(そんなことはない)。僕はストーリーについて言及がしたかった。

というわけで以降ネタバレ要素を多分に含みます。また、批判を含む内容となっていますので、まだプレイしていなくて今後プレイ予定の方、本作が好きで批判意見を目にしたくない方は閲覧しないことを推奨します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前作「The Last of Us」は、人間の脳に寄生する謎の病原菌によってパンデミックが起こったアメリカを舞台に、最愛の娘を亡くした悲しみに囚われ続けている主人公「ジョエル」と、菌への免疫を持つ少女「エリー」が様々な苦難を乗り越えながら大陸を横断するというストーリーが展開されました。大陸横断の果てにたどり着いた医療機関でのワクチン開発、この旅の目的の達成にはエリーの命を引き換えにする必要があることをジョエルは知ります。既に手術の直前。ジョエルは世界よりも、人類の未来よりもエリーを選び、医療機関にいる人々を惨殺してエリーを救い出しました。この旅の道中での各登場キャラクターの心情変化の描写、荒廃した世界の描写、そしてなんといっても物語の結末に展開されるジョエルとエリーの会話、これらが高く評価され数多くのメディアでGame of the Yearを獲得。ゲーム史に残る名作の一つとなりました。

 

その続編となる本作。冒頭でジョエルが死にます。それはもうあっさりと敵組織に殺害されます。

 

もうね、ぽかーんでしたよ。おそらく大半のプレイヤーがそうだったのではないかと思います。前作でプレイヤーと苦楽を共にし、非常に愛着のある主人公が物語の序盤も序盤で殺されたときの衝撃は凄まじいものでした(MGSV:TPPの主人公が最後の最後で影武者だと判明したときと同じくらい)。

まあでもいいんです。悲しくはありますが、最終的に物語が面白ければいいんです。エリーの旅の動機としては十分ですし、前作の人気に乗じて雑な続編を出されるよりは全然いい。PVでジョエルがエリーの肩を掴んで「お前を置いていくわけないだろ」と言っていたのはなんだったのかなど思ってはいけないのです。

さて、プレイヤーと復讐心を共にしたエリーの旅が始まります。主犯はジョエルが前作で殺害したエリーの執刀医の娘、アビー。この時点でアビーの素性は明かされてはいませんが、とにかく敵です。エリーはアビーを追ってワシントンの地を旅します。アビーの痕跡を追い、その仲間を拷問・殺害しながら情報を収集、先行して復讐の旅に出ていたジョエルの弟トミーと合流。そして、旅のサポートをしていたエリーのパートナーであるディーナの妊娠が発覚したこともあり、一度暮らしていたジャクソンシティに帰還することとなります。

 

わけがわからん。

 

トミーが復讐の旅に出ることはわかる。しかしディーナ、そしてディーナの元カレのジェシーは物語に果たして必要だったのか?LGBTの要素はわざわざ入れる必要があったのか?エリーとトミーの旅では駄目だったのか?というか、殺害されたトミーの復讐のためにエリーとジョエルが旅に出るという物語では駄目だったのか?

 

…と、思わずヒートアップしてしまいましたがまあいいんです。プレイヤーの分身であったジョエルの敵討ちより本作から突然出てきたエリーのパートナーが優先されるのもまあいいんです。それがエリーの選択なのだから。前作で長い間苦楽を共にしたジョエルよりプレイヤーの知らないところで快楽を共にしたディーナを選ぶのかなどと思ってはいけないのです。

 

もちろん、物語はここでは終わりません。ジャクソンへ帰還しようとしている最中、エリーたちがアジトにしていた劇場になんとアビーが乗り込んできます。なんとなく物語中で死にそうだなと思っていたジェシーが頭を撃ち抜かれますがプレイヤーにもエリーたちにも悲しみの感情はありません。今は何よりアビーです。今こそジョエルの敵討ちを果たす時が来たのです。画面は暗転。そして、ついにアビー編のスタートです。

 

?????

 

さすがに理解ができませんでした。プレイヤーはエリーとともにジョエルの敵討ちだと手に汗握っていたところで、まさかのその敵のパートです。しかもエリー編と同じくらいボリュームがあります。アビーに何も感情移入ができない分体感ではエリー編の二倍くらいあったのではないでしょうか。最後にアビー操作でエリーと戦う羽目になったときはここでプレイをやめようかとさえ思いました。

 

結局、アビーはエリーを追い詰めたもののすんでのところでディーナに邪魔をされ、妊娠していた彼女を殺すことができなかったためエリー、ディーナ、トミーの三人を見逃します。いやいや、同じく妊娠していた仲間をエリーに殺されているんですよと。そうでなくてもここまで特に恨みのない人々を散々殺害してきているのに、今更妊娠を理由に復讐相手を見逃すのは一体どういうことなのかと。もちろんここでエリーを殺して物語が終わりだったらそれはもう大ブーイングものですが、だからといってこれはちょっと不自然なんじゃないかと思ってしまいます。

 

月日は流れ、エリーはディーナ、そしてその息子と三人で穏やかな日々を送っていました。しかし目の前でジョエルを惨殺された光景がトラウマとして残っており、そこにトミーからアビーの目撃情報を知らされたことから、エリーは再び復讐の旅に出ます。そしてついにエリーはアビーを追い詰めますが、最後の最後で生前のジョエルの姿が頭をよぎり、アビーを殺すことができませんでした。

ディーナと息子の三人で暮らしていた家に帰ってきたエリー。しかしそこにディーナたちの姿はありません。残されていた私物の中からギターを取り出しますが、アビーとの戦いで指を何本か失ったエリーは弾くことができません。復讐の果て、エリーは大切なものをすべて失い、そして物語は幕を閉じます。

 

結局復讐果たさんのかい

 

いやわかるんですよ。復讐は何も生まないとか、敵側にも正義があるとか。アビーを見逃す=許すことでジョエルを許したのかなとかも考えることはできるんですよ。ただ、それでも僕は、この物語と演出方法に納得できないのが正直なところです。たぶん、物語を客観的に、フラットに楽しむタイプの人は今作も楽しくプレイすることができたのだと思います。ただ、物語に感情移入し、主人公やその仲間に共感しながら物語を楽しむタイプの人には今作のストーリーはかなり厳しいのではないかと思いました。ジョエルやエリーが好きな人にはこの物語はきつすぎる…

 

まあでも全体を見ると微妙だったなと個人的に思ってしまいますが、物語の途中途中に入るエリーとジョエルの思い出のシーンは好きでした。あと、前作でジョエルがエリーの意志を無視して彼女を病院から奪還したことに対する、エリーの「許せない、でも許したいと思ってる」というセリフは、前作の最後の続き、そしてこの物語のすべてを表しているセリフだなと思い、プレイ後も強く印象に残っています。

 

最後に総評というほどのものでもないですが。ストーリー自体は賛否両論あって然るべき内容だったなと思います。前作を、前作の登場人物たちを愛する人が見たかった内容ではない、むしろ見たくなかった内容だったため否定的意見を持つ人が多かったのだと思います。僕もそのうちの一人に入るでしょう。でも、こうなることをきっとわかった上でシナリオライターの方はこの物語を書き上げたのだと思いますし、「製作者が作りたいものを作った」という意味で大きな意味のある作品だったと思います。世界的に有名な超大作の続編というプレッシャーの中、無難な作品ではなく挑戦的な作品を、超高クオリティで出してきたのはさすがNaughty Dogだなと改めて思います。クリアした直後は納得いかないという感情が先行していい印象がなかった本作ですが、時間を空けて改めて考えてみると、色々考えさせられるいい作品だったのかなとも思います。エンターテインメントとしては微妙でしたが、文学作品としては最高だったと思います。

 

 

 

終わりに

こんな駄文を最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。自分でも途中から書きたいことがごちゃごちゃしてしまってとてもまとまりのない、読みにくい文章になってしまったなと思います。世のゲームレビューブログを書いてる人たちはすごいですね。自分もああいう読みやすい文章が書けるようになりたい…。これから精進していきます…。